お互いに知略を尽くす頭脳戦マンガの特集です。
巧妙なイカサマや巧みな騙し合いが展開され、読んでいるこちら側もまんまと騙されてしまうことが多いです。勝負には命が懸かっている場合もあり、とても緊迫した雰囲気が楽しめます。
今回はそんな頭脳戦が面白いマンガの中から、完結済みのものを5作品紹介します。
絶対面白い!頭脳戦マンガ紹介
【完結済み】嘘喰い(全49巻)
『嘘喰い』(うそぐい)は、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で2006年から2018年まで連載されていた迫稔雄先生のマンガです。コミックスは全49巻で、一部のエピソードはOVA化もされています。
ギャンブル狂の青年、梶隆臣(かじたかおみ)はパチンコ屋で斑目貘(まだらめばく)と出会います。貘は15歳で賭郎の会員となった「嘘喰い」という異名を持つ天才ギャンブラーでした。並外れた頭脳と観察力を持っており、これまで数多くのライバルを倒してきました。
賭郎とは、あらゆるギャンブルを取り仕切っている秘密組織で、要請に応じて立会人を派遣し、勝負を取り仕切ってくれます。賭郎は相手から取り立てを行う必要があるため、屈強な男たちが揃っています。そのため、頭脳戦だけではなく、バトルマンガのような戦闘シーンもたびたび描かれます。
貘はかつて賭郎のトップであるお屋形様との一騎打ちに失敗して、身を潜めていましたが、改めて「屋形越え」を果たすため、賭郎として上り詰めていこうとします。
『嘘喰い』で描かれるギャンブルは、トランプを使ったものから、オリジナルゲーム、さらには肉体を使ったものまで、さまざまです。勝負に負けると、そのまま命を落としてしまう場合もあるため、命を賭けたヒリヒリするような駆け引きが繰り広げられます。
貘たちの仲間で、普段は幼い子供のような言動を取りつつも、注射を打たれることで凶悪な人格に変貌してしまうマルコや、元、賭郎の零号立会人で常に凶暴な雰囲気を醸し出している伽羅、うさんくさい口ひげを生やし「エクセレント」が口癖の武器商人カールなど、個性豊かな登場人物たちも見所の1つです。
基本はイカサマや駆け引きを駆使した心理ゲームが行われるのですが、たびたびバトルアクションが出てくるのが特徴です。たとえ、勝負に勝っても力でうやむやにされてしまっては意味がありません。そのため、勝負の後にやってくる格闘シーンも人気があります。また、ダンディーな老紳士やクセの強い美形の立会人が登場するため、女性ファンにも人気があります。
【完結済み】クロサギ(全20巻)
『クロサギ』は『週刊ヤングサンデー』『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に連載されていた原作・夏原武先生、作画・黒丸先生のマンガです。第53回小学館漫画賞一般向け部門を乗しており、シリーズ累計は800万部を突破しています。2006年には山下智久さん主演でテレビドラマ化されており、2008年には実写映画化もされています。
詐欺師には、人から金銭を巻き上げる白鷺(シロサギ)と異性をもてあそぶ赤鷺(アカサギ)、そしてシロサギやアカサギだけを狙う黒鷺(クロサギ)がいます。
主人公の黒崎高志郎(くろさきこうしろう)は、詐欺師のみをターゲットとするクロサギです。彼の父親は黒崎が中3のときにシロサギによって詐欺に遭い、一家心中を起こしていました。その中から奇跡的に一命を取り留めた黒崎は、その復讐としてシロサギを目の敵にしていました。
黒崎は法律に精通しており、高い演技力もあり、話術にも優れていました。その能力を活かして、どんどん詐欺師たちを罠に仕掛けたり、逮捕されるように仕向けたりしていました。黒崎は依頼を達成すると、依頼人に被害額分のお金を渡します。たとえ、結果が赤字となっても、そうやってお金を渡すのが彼のやり方でした。
詐欺師対詐欺師ということで、ハイレベルな頭脳戦が行われます。主人公の黒崎は、暴力的な手段は使わず、自分の頭脳だけを頼りに、詐欺師たちから大金を奪い取っていきます。あくまでも詐欺師しか騙さないため、義賊的な存在でもあり、イヤな相手をやり込めるような胸の空く展開が楽しめます。続編として『新クロサギ』『新クロサギ完結編』も出ており、どちらも完結しています。
【完結済み】LIAR GAME(全19巻)
『LIAR GAME』(ライアーゲーム)は、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)に2005年12号から2015年8号まで連載されていた甲斐谷忍先生のマンガです。2007年には実写ドラマ化され、さらには2014年に韓国でリメイクドラマが製作されました。
神崎直(かんざきなお)は、周りから「バカ正直のナオ」と呼ばれるほど、人を信じやすい性格でした。そんな彼女の元に見知らぬ小包が届きます。彼女はそれを開けてしまったことにより、知略を駆使して相手を出し抜いていくライアーゲームに参加することになります。
彼女が最初に参加させられたのは「1億円争奪ゲーム」でした。各自が持っている1億円を取り合うゲームで、負けてしまうとその分の負債になります。ナオはゲームから降りようとするのですが、誰もまともに取り合ってくれませんでした。
自分だけでは勝負に勝つことができないと考えた彼女は、出所したばかりの詐欺師、秋山深一(あきやましんいち)に助けを求めます。最初は気乗りしなかった秋山でしたが、人をすぐに信じてしまうナオに自分の母を思い出し、彼女の協力者となります。
そうしてナオと秋山はゲームに勝ち進みながら、謎の組織「ライアーゲーム事務局(LGT)」の正体を暴こうとしていきます。
本作に出てくるのはどれもオリジナルのゲームばかりなのですが、全員が協力すれば誰も損をしないし、得もしない状況があり得るのが特徴です。誰かが自分の利益を優先して行動すると、主催者側に利益がでるのですが、全員が結託すれば誰も損をしない状況を達成することができます。それを踏まえた上で、本当に他人を信頼することができるのかというのが1つのテーマになっています。
【完結済み】銀と金(全11巻)
『銀と金』は、『アクションピザッツ』(双葉社)で1992年から1996年まで連載されていた福本伸行先生のマンガです。福本伸行先生というと「カイジ」シリーズが有名ですが、こちらの『銀と金』も負けず劣らず面白いです。
森田鉄雄(もりたてつお)はギャンブル中毒で、いつも負けてばかりいました。ある日、森田は競馬場で平井銀二(ひらいぎんじ)という男性と出会います。銀二は「銀王」とも呼ばれる裏社会のフィクサーで、冷静な観察眼と卓越した思考力を兼ね備えています。「巨悪を征するのはそれより大きな巨悪」という思想を持っており、さまざまな政治家を使って日本の経済界を支配することを野望としています。
銀二は森田に才能を見出し、さまざまな課題を出すことで森田を成長させていきます。ただのギャンブル狂でしかなかった森田は、自分の才能を開花させていき、裏世界でも活躍するようになっていきます。そうして銀二も森田こそが自分の後継者となると考えて、多大な信頼を抱くようになります。
株の仕手戦や詐欺、殺人鬼との死闘など、まさに命を賭けたやり取りが繰り広げられます。その中でも大きな勝負が「誠京麻雀」です。基本ルールは普通の麻雀なのですが、お金を持っている人ほど有利になるルールが加えられており、膨大な金額が勝負中に貯まっていきます。相手の同意が得られればある程度の不正も許されるため、交渉力も重要になってきます。
【完結済み】ACMA:GAME(全22巻)
『ACMA:GAME』(アクマゲーム)は、『週刊少年マガジン』(講談社)に2013年19号から2017年14号まで連載されていた原作・メーブ先生、作画・恵広史先生のマンガです。
高校3年生の織田照朝(おだてるあさ)は、日本有数の財閥グループである織田グループの総会長を務めています。さらには全国模試で一桁の成績をキープしている上に、運動神経抜群、容姿端麗という完璧といっても過言ではない人物でした。
ある日、照朝はゲームの勝者が敗者から好きなものを奪えるアクマゲームに巻き込まれてしまいます。アクマゲームでは本物の悪魔がゲームマスターを務め、対戦者たちは閉鎖空間の中で戦うことになります。
対戦者たちは、勝負に賭けるものを宣言して、悪魔が選んだオリジナルのゲームで対戦を行います。
さらに照朝はアクマゲームを使って日本の政界を裏から操っている謎の組織「グングニル」と戦っていくことになります。
既存のゲームではなく、悪魔が提案したオリジナルのゲームがいくつも登場します。また、悪魔ごとに個性もいろいろあるのも注目ポイントの1つです。主人公の織田照朝は、知識や観察眼、思考力、精神力など、あらゆる力を駆使して、一癖も二癖もある対戦相手たちと頭脳戦を繰り広げます。ヒリヒリするような勝負が連続して行われるため、一度読み始めたら止まらなくってしまうおすすめ作品です。
まとめ
頭脳戦のマンガは、さまざまな天才が出てくるのが特徴です。一般人には思いつけないような発想で、相手を出し抜くのが読んでいて痛快です。また、作品ごとにオリジナルのゲームが設定されているのも特徴で、「このルールだったら、どう戦おう」と自分で考えてみるのも楽しいです。
ヒリヒリするような展開で、先が気になるものが多いため、今回はすべて完結しているものをピックアップしてみました。
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