過酷な環境下で生き残りを目指すサバイバルマンガの特集です。
無人島や異世界、災害後の世界など、さまざまな過酷な環境の中で、何とか生きるすべを身につけて、1日1日を生きのびようとします。極限状態に置かれることで表れる人間のエゴや狂気が描かれており、人間とは何なのかということを思わず、考えさせられます。
今回はそんなサバイバルをテーマにしたマンガの中から、完結済みでおすすめの5作品を紹介します。
読んだらハマる!サバイバルマンガ紹介
【完結済み】レッツ☆ラグーン(全6巻)
『レッツ☆ラグーン』は、『週刊ヤングマガジン』(講談社)に読みきりとして掲載され、のちに『月刊ヤングマガジン』に移行して連載された岡崎武士先生のマンガです。読み切りが掲載されたのが2007年10月で、連載は2018年11月号で終了しており、コミックスは全6巻まで刊行されています。
主人公の山田壮太(やまだそうた)は、修学旅行中、乗っていた船の海難事故で遭難してしまい、無人島に漂着します。漂着した壮太は事故のショックで記憶をなくしていますが、自分のバッグの中身を見て、自分が修学旅行中だったことを知ります。
壮太が遭難して4日目、島の中で1人の少女に出会います。彼女は衣舞瀬チカ(いまいせちか)といって、壮太の同級生でした。彼女も壮太と同じ時期にこの島に漂着していたのですが、メガネをなくしてしまい、壮太のことに気がつきませんでした。
こうして壮太とチカは無人島での生活を始めます。島には豊富な食料があり、十分な水もあるため、サバイバルの難度は低めでした。共同生活を続けていくうちに、壮太はだんだんとチカに好意を抱き始めます。そうして、だんだんと無人島での生活も悪くないと思えるようになってきました。
壮太が遭難して9日目、新たに男性が島に漂着してきます。漂着したのは柴田といって、壮太たちが通う高校の先生でした。そうして柴田がやってきたことにより、山田とチカの共同生活の雰囲気も一変してしまうのでした。
1人の高校生が無人島に漂着し、そこで出会った少女と共に共同生活を始めるという、ある意味ベタな設定です。しかし、もちろんそれだけでは終わらず、実は彼らがただの遭難者ではないという設定が明らかになります。
【完結済み】漂流ネットカフェ(全7巻)
『漂流ネットカフェ』は、『漫画アクション』(双葉社)に2018年18号から2011年8号まで連載されていた押見修造先生の漫画です。2009年には伊藤淳史さん主演でテレビドラマ化されています。
些細なことから妊娠中の妻と喧嘩してしまった土岐耕一は、仕事帰りに豪雨に遭遇してネットカフェで雨宿りしていくことにします。そこで、中学時代の初恋の人である遠野果穂と偶然再会します。耕一はうれしい再会に心を少し躍らせました。
しかしその直後、停電が起こります。パソコンはケータイはつながらなくなり、外は入り口が浸水してしまうほどの豪雨になっていました。耕一は、そのままネカフェで一泊することにします。
翌日、外に出てみると周囲は見たこともないような湿原になっていました。耕一たちはネットカフェと共にこの場所に飛ばされてしまったようでした。
協力して何とかサバイバルしていこうとするのですが、居合わせた人は全員赤の他人のため、まったく協調性がありません。勝手に店にあった食べ物を食べたり、店員にからんだり、ブースに閉じこもってしまったりと、みんなが好き勝手に行動します。
さらには巨漢の寺沢が暴力によって人々を支配し始めて、事態はどんどん悪い方向へと転がってしまいます。
偶然居合わせただけということもあり、登場人物は各々好き勝手に行動します。さらにはどんどん人間の醜いエゴも見え始めて、状況は悪い方悪い方へと転がっていきます。物語後半には、やってきたこの世界がどういったところなのか、どうしてネカフェにいた人々だけが流されてしまったかの謎解きもあるため、スッキリ読み終わることができます。
【完結済み】自殺島(全17巻)
『自殺島』は『ヤングアニマル』(白泉社)で2008年から2016年まで連載されていた森恒二先生のマンガです。17巻で完結していますが、その前日譚にあたる『無法島』が2019年から連載されています。
主人公のセイは生きる意欲がなく、何度も自殺未遂を繰り返していました。そのため、「生きる義務」を放棄した意思を示す書類にサインをします。そのまま病院のベッドで意識を失ってしまったセイは、自分がまだ生きていることに気づきます。さらには彼の周りにも同じような自殺未遂者が何人もいました。
セイは政府が関与しない、自殺の常習者たちが送り込まれる「自殺島」に来たことを知ります。島には家屋や廃校舎など、かつては人が住んでいた形跡がありますが、すでに住民はいませんでした。また、家屋の中には何体もの白骨死体があり、山中にも自殺したと思われる死体がありました。
彼らはみんな生きる意思がないものたちばかりでしたが、自殺をしそこねた人物を目の当たりにして死ぬことをとどまります。
「死ねなければ生きるしかない」と感じた彼らは、自然とサバイバル生活へと追い込まれていきます。
全員が自殺未遂者であるにも関わらず、命の意味と向き合うことで、だんだんと生への執着を見せていきます。また、本作の特徴は、実際の漁や狩猟の方法、収穫物の保存方法など、実用的なサバイバル術が詳しく説明されているところにあります。そのため、この本を読んでいれば、万が一の事態になったときに役立つかもしれません。
【完結済み】彼女を守る51の方法(全5巻)
『彼女を守る51の方法』は、『週刊コミックバンチ』(新潮社)で2006年から2007年まで連載されていた古屋兎丸先生のマンガです。
主人公の三島ジンは、会社説明会のためにお台場に来ていました。ジンはお台場で中学生時代の同級生、岡野なな子と再会します。
その夜、東京湾北部を資源とする震度7、マグニチュード8.1の直下型地震が起こります。ジンはなな子を守りながら、何とか自宅を目指そうとするのですが、液状化現象や余震などにより、なかなか進むことができません。
やがて火災旋風により、焼けた遺体が空から降ってきたり、暴徒化した群衆たちが犯罪に走ったりと、事態が深刻になっていきます。病院も手一杯になっており、優先度が高い患者しか診てもらうことができません。
地獄のような悲惨な現実を目の当たりにするジンたちでしたが、助け合って何とか生きのびようとしている人たちもいて、心が癒やされます。
時間が経つにつれて、どんどん悪化していく中、ジンたちは助け合いながら進んでいきます。
作者の古屋兎丸先生が実際に東京を歩き回り、想定されるであろう事態を詳細に描いています。防災ジャーナリストの渡辺実氏が監修しているため、大地震が起こった場合に想定されることが、事細かに描かれています。もし、自分がこのような状況になってしまったら、どうするのだろうと考えずにはいられません。
【完結済み】ドラゴンヘッド(全10巻)
『ドラゴンヘッド』は1994年から1999年まで『週刊ヤングマガジン』(講談社)に連載されていた望月峯太郎先生のマンガです。第21回講談社漫画賞一般部門を受賞しており、2003年には実写映画化されています。
中学生の青木テルは修学旅行で新幹線に乗っていました。そのとき、大地震が発生して新幹線がトンネル内で脱線事故を起こしてしまいます。出入り口は崩壊してしまい、連絡手段もまったくありません。
新幹線に乗っていた生徒や教師はほとんど死んでしまい、テルの他に残っていたのは瀬戸憧子(せとあこ)という女子と、高橋ノブオという男子の2人だけでした。
出口がふさがってしまっていましたが、何とかテルたちは脱出に成功します。しかし、そこに待っていたのは大災害によって荒廃してしまった世界でした。3人は極限状態に追い込まれながらも何とか荒廃した世界を生きのびようとします。
サバイバルマンガの代名詞的存在です。長年マンガを読んでいる人ならば、ほとんどの人が読んでいるかもしれません。この作品でフィーチャーされているのは究極の恐怖です。極限状態に陥ってしまった人間が、どのようになってしまうのかが丁寧に描かれています。さまざまな恐怖の中に、人間とは何なのかといった哲学的テーマが垣間見えます。サバイバルマンガの傑作なので、まだ読んだことがない人は、ぜひ読んでみてください。
まとめ
サバイバル系のマンガは絶望的な状況におかれながらも、何とか生きのびようとする主人公たちの意志の強さが大きな魅力です。
中には実際のサバイバルにも役立つような知識の説明もあるため、こういったマンガを読んでいると、災害が起きたときに役立つ可能性があります。紙のマンガだと、いつどこででも読めるので、もしものときに備えておくのもいいかもしれません。
今回紹介したマンガはすべて完結済みなので、先が気になるタイプの人は、あらかじめまとめ買いしておくのがおすすめです。
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