今回は1冊だけ物語が完結する1巻完結マンガの特集です。
1冊だけなので、手軽に読めるのはもちろん、ストーリーがぎゅっと凝縮されており、1本の映画を観たような満足感があります。その上、作者が表現したい世界観を短い時間で堪能することができます。
また、1巻完結のマンガはさまざまな賞にノミネートされていたり、大賞を受賞していたりと、評価が高い作品が多いです。
この記事では、そんな1巻完結の名作の中から、特におすすめの7作品を紹介します。
すぐに読みたい方は、まんが王国などの配信サービスを利用するのがおすすめです。ポイント還元があるので、普通にマンガを買うよりもずっとお得ですよ。
面白さが凝縮された1巻完結おもしろマンガ
カラオケ行こ!【1巻完結】
中学校の合唱部部長であった岡聡実(おかさとみ)がコンクールを終えて会場を出ると、そこに1人の男性が立っていました。彼は成田狂児(なりたきょうじ)といい、聡実をカラオケに誘います。
カラオケボックスについた狂児は聡実に歌を教えて欲しいと頼みます。彼は四代目祭林組の若頭補佐の、いわゆるヤクザです。そんな彼の組長がカラオケ好きのため、年に4回カラオケ大会が開催されるのですが、そこで評価が低いとヒドい罰ゲームが待っています。
狂児は何とかその罰ゲームを避けたいため、聡実に歌を教えてくれないかと頼んだのでした。まったく気乗りがしない聡実でしたが、相手がヤクザの上、熱意も伝わったので、渋々言うことを聞きます。
こうして男子中学生とヤクザという奇妙な組み合わせでのカラオケレッスンが始まります。
『カラオケ行こ!』の大きな魅力は、やはり成田狂児という存在です。中学生の聡実の前ではタバコをガマンしたり、パフェを注文したりと、やることなすことが個性的です。そんな飄々とした雰囲気を漂わせながらも、時にはヤクザらしさを見せるギャップが素敵です。
また、聡実と狂児の奇妙な友情も見所です。
ひきだしにテラリウム【1巻完結】
作者は『ダンジョン飯』(エンターブレイン)が大ヒットした九井諒子先生です。ショートショート集である『ひきだしにテラリウム』では、ファンタジーからSF、昔話、コメディ、日常まで、さまざまなジャンルの物語を最短で2ページにまとめています。
タイトルに使われているテラリウムとは、動物や植物などをガラスやアクリルの容器の中で、飼育・栽培する技術のことです。『ひきだしにテラリウム』では、環境がまったく異なる33もの物語がテラリウムのように見ることができます。
オチが効いた短い物語は、ショートショートの名手、星新一を連想させます。また、星新一同様に、登場人物に必ずしも名前がついていないのも特徴です。
チェックして欲しいのが表紙のカラーイラストです。『ひきだしにテラリウム』に登場する人物たちが所狭しと描かれています。さらにこのイラストは円のようになっており、右端と左端がしっかりつながるようになっています。本編を読んでから、改めてカバーイラストを見ると、新たな発見があるかもしれません。
式の前日【1巻完結】
『式の前日』は漫画家・穂積先生のデビュー作です。2012年に刊行されてから、多くの人に愛され続けている短編集の名作の1つです。
双子の兄弟、訳ありの親子、結婚を控えた男女、といった感じに、さまざまな2人のストーリーが描かれます。
タイトルにもなっている「式の前日」は、結婚式を明日の控えた男女の話です。女性は明るく振る舞っており、男性はけだるそうに縁側でくつろいでいます。2人の軽妙なやり取りから、仲の良さがうかがえます。ドレスをチェックしたり、席順を悩んだり、夕食を食べたりと2人で仲良く過ごします。
一見すると仲が良いカップルのようですが、実は2人にはある秘密がありました。
「式の前日」の他に5編を収録した短編集です。どれも鮮やかなオチが用意されており、思わず最初からもう1度読み返したくなります。短編集の魅力を存分に味わうことができる名作の1つです。
ちーちゃんはちょっと足りない【1巻完結】
「このマンガがすごい!2015」オンナ編で第一位に輝いた作品です。
中学2年生のちーちゃんは、他の子に比べて身体が小さく、言動も幼い女の子です。ちーちゃんは団地で、母と姉と暮らしています。ナツは、ちーちゃんの幼なじみで勉強ができず、気が弱いため、いつも何かに悩んでいます。ちーちゃんとナツの友人である旭は、裕福な家庭で、成績も優秀、サッカー部の彼氏もいます。
旭がちーちゃんとナツを助けながら、仲良く学校生活を送っていたのですが、あるときちーちゃんが起こした行動から、3人の関係が徐々におかしくなっていきます。
かわいらしい絵柄から、女子中学生のほのぼのした日常ものかなと思いきや、ちーちゃんのとある行動から、思春期特有のドロドロした黒い感情があふれ出してきます。旭に対するナツのひがみやねたみが、どんどん悪い方へと転がって行ってしまいます。絵柄と物語に大きなギャップがある、読み応えがある1冊です。
盆の国【1巻完結】
中学3年生の女の子・秋は、お盆に帰ってくるご先祖様の姿を見ることができました。秋が住んでいる六堂町では、お盆に帰ってくるご先祖様のことを「おしょらいさん」と呼んでいます。ある年のお盆、秋は「ずっとお盆のままならええのに」と妄想します。すると、それが現実になってしまい、8月15日を何度も繰り返すようになってしまいました。
秋は自分と同じようにおしょらいさんのことが見える青年・夏夫と出会い、何度もお盆が繰り返すようになってしまった謎を解き始めます。
日本のお盆がテーマになっていることもあり、盆踊りや花火、夕立、夏祭りといった夏らしい風景が描かれています。どこか懐かしい雰囲気に思わずノスタルジーを感じてしまいます。
我らコンタクティ【1巻完結】
冴えない会社員をしていたカナエは、小学校の同級生であるかずきと再会します。かずきはなぜか1人でロケットを開発していました。どうしてかずきにロケットを作っているのかを尋ねると、予想外の答えでカナエは力が抜けてしまいます。
カナエはかずきに協力して、一緒にロケットを開発することになります。初めはお金目的で協力を始めたカナエでしたが、だんだんとロケット開発にのめりこんでいきます。
2人でロケットを作るという夢のあるテーマなのですが、カナエとかずきのキャラクターがかなり個性的です。カナエはプライドが異常に高く、ロケット打ち上げをすれば儲かると思って、開発に協力をします。一方、かずきは感情の起伏がほとんどなく、何を考えているか分かりません。そんなデコボココンビが醸し出す、独特な雰囲気が面白いです。
惑星9の休日【1巻完結】
2020年にWEBコミック『船場センタービルの漫画』が話題になった町田洋先生の漫画です。地球によく似た辺境の小さな星、惑星9(ナイン)が舞台です。表題作を含めた全8作品が収録されています。
惑星9という星には、永久影という場所がありました。そこには一瞬で凍りついてしまった町があり、そこに住んでいた人々がそのままの状態で残っています。主人公の男は、そこで凍りついた少女に思いを馳せていました。
SF要素があるショートショートです。シンプルな線で描かれた絵柄はとても魅力的で、読んでいて温かみを感じます。読後感が清々しい、クセになる短編集です。
まとめ
1巻完結マンガは手軽に読み終えることができるのが魅力です。
何十冊も続く大作も面白いですが、途中で飽きてしまうという人も多いはずです。その点、1巻完結では1冊だけで、充実した物語を楽しむことができます。
動画配信サイトのU-NEXTの無料トライアルに登録すると、600円分のポイントがもらえます。U-NEXTでは映画だけでなく、雑誌やマンガも読むことができます。毎月1,200円分のポイントがもらえるため、それを使って読み進めることができます。
コメント