『少女終末旅行』は、2014年から2018年までウェブサイト『くらげバンチ』(新潮社)で連載されていたSFマンガです。
文明が崩壊してしまった終末世界を旅する少女2人の日常を描いた漫画です。主人公のチトとユーリが廃墟都市をさまよい、ひたすらその上層を目指して移動を続けます。
2019年に第50回星雲賞のコミック部門を受賞しています。また、2017年にはWHITE FOX製作でアニメ化されています。
【完結済み】『少女終末旅行』のあらすじ
[rakuten id=”rakutenkobo-ebooks:14381422″ kw=”少女終末旅行 1巻 ”]舞台は文明が崩壊してしまった世界です。主人公のチトとユーリは、半装軌車のケッテンクラートで廃墟都市を旅していました。道中で、さまざまな文化や兵器の痕跡を発見しながら、ひたすら上層を目指し続けます。
その途中、白い謎の生き物であるエリンギたちと出会ったり、わずかな生存者と交流したりして、最上層を目指します。
最初は崩壊しているとしか分からない設定ですが、チトとユーリに会話や行動から、少しずつ世界観が明らかになっていきます。
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『少女終末旅行』の考察
さまざまな疑問や謎が残るお話なので、いくつかその謎について考察していきます。
時代設定に関する考察
『少女終末旅行』に登場する武器や戦車、装備などは、どれも現実社会に存在しているものです。そのため、時代設定的には、現代社会とそう違いないような感じもします。
けれども、1巻の最後でカメラを使って撮影をしたときに「3230.08.06」といった年月日が表示されます。これを読み取ると、3230年08月06日と、現代よりも1,000年以上も未来の話ということが分かります。
1,000年もの未来に、どうして昔の武器を使っているのかは、金沢のセリフから明らかになります。
「この階層型の都市を作ったのはもっと古い人間だよ」
「僕たちの祖先はその古代人が作ったインフラに住み着いたに過ぎない」
つまり、廃墟のもとになった都市を作った人類は、すでに滅んでいて、その過去の遺産を利用する形で、この時代の人々が住み着いていることになります。
チトとユーリを導いたおじいさんに関する考察
チトとユーリはひたすら上層階を目指すわけですが、なぜ上層を目指すかは、おじいさんのセリフが関係しています。
5巻の回想に出てきたおじいさんが、
「上へ登りなさい、下はだめだ」
と言っています。
恐らく2人はこの言葉に従って、とにかく上層を目指していることになります。
では、そもそもこのおじいさんは何者なのでしょうか。
チトとユーリの会話から、おじいさんが任務でさまざまな土地を訪れていたことが分かります。また、行った先からたくさんの本を持ち帰っていたことも分かります。おじいさんが持ち帰った本には、自分が読めない本も含まれていました。恐らく読めない本とは、古代の言葉で書かれたものでしょう。
古代の言葉は上層階でしか目にする機会がないため、おじいさんも上層階に行っていたであろうことが読み取れます。そのため、上層階にこそ、生きる希望があるのだと考えていたのかもしれません。
ヌコに対する考察
作中にヌコという謎のキャラクターが登場します。
チトが「これが昔本で読んだネコという生き物なんじゃないか?」と言ったのに対し、その生物が「ヌ……コ」と返したため、「ヌコ」と呼ばれるようになりました。
道中、ヌコは銃弾や機械といったものを食べていきます。それだけ聞くと、一見何の役にも立たなそうですが、寺院やさまざまな場所にヌコのような石像が建てられていることから、崇拝の対象であったことが分かります。
恐らく新しい人類にとって、ヌコたちは神様である人工知能に近しい存在であったと考えられます。
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コメント
コメント一覧 (1件)
いまだに、いろいろと考えさせられる作品です。話数を重ねるごとに、深くなっていき、最後はチトとユーリの関係性が極限に至った感じ。最後の螺旋階段で、チトが感じていた、私たちは一つの生き物になってしまった、自分が見て、触れて、感じた世界こそが真理だ、という感覚がまさに涅槃ではないかと思います。月に行って、地球に帰ってきて、シメジシミュレーションの世界での活躍が楽しみです。